RokDeBone2の影響度設定機能


RokDeBone2の影響度設定は、5段階になっています。

1,デフォルト状態
2,パーツ単位の影響ボーン指定
3,影響範囲の形状を指定、編集、変換
4,名前による影響ボーン指定
5,頂点単位のペイントによる設定

番号が大きくなるにつれて、細かい設定が出来るようになります。

番号の低い方から、高い方へ順番に、操作を行うことで、
変更箇所の影響度だけを、番号の高い方法で、置き換えることが出来ます。



番号の高い方法の後に、低い方法で、設定すると、
5の方法の結果は、破棄された後、4以下の方法で再計算されるようになっています。


5種類もあって、大変だと思う方もいるかもしれませんが、
全てを使用する必要はありません。
不具合が出た場所にだけ、より、大きい番号の方法で、設定すれば、OKです。


ボーンの階層、名前、位置などの編集後に、「影響度を再計算しますか?」というダイアログが出ますが、
これで、OKを押すと、5での編集結果は、破棄されて、4以下の方法で、再計算されます。

「再計算しますか」をキャンセルすると、5の結果は保たれますが、
5の情報の中に、存在しなくなったボーン情報などが含まれていると、
その頂点の変形結果は、いびつになるか、または、まったく動かなくなるので注意してください。




以下に、5つの方法をそれぞれ、説明します。


1,デフォルト状態

デフォルト状態では、ボーンと頂点との距離と角度によって、影響するボーンと、その影響度を決定します。
この状態では、形状同士が、近づいている場合などに、意図しない変形をする場合が多いです。
不具合の出た場所は、番号の高い方法で、設定するようにしてください。


2,パーツ単位の影響ボーン指定

メインウインドウの「影1」ボタンを押すと、パーツ単位の指定モードになります。
下のようなダイアログが出ます。


指定したい表示オブジェクトをリストから選んで、「選択」ボタンを押した後、
影響を受けるボーンをツリービューから選んで、「追加」ボタンを押してください。



3,影響範囲の形状を指定、編集、変換

メインウインドウの「影2」ボタンを押すと、形状による影響範囲設定モードになります。
下のようなダイアログが出ます。



影響範囲データは、ボーン名と、ターゲット名で、ひとつ決定されるようになっています。
ターゲットとは、どの表示データに対する影響範囲か、という意味です。
一つのボーンに対して、表示オブジェクトの数だけ、別々に、影響範囲を作成、設定出来ることになります。

まず、ダイアログで、ボーン名と、ターゲット名を、それぞれ、ツリービュー、リストから選択します。
すると、「影響範囲形状を作成」ボタンが押せる状態になります。

「影響範囲形状を作成」ボタンを押すと、指定したボーンの向きに応じて回転した状態の、直方体が作成されます。
作成した形状は、半透明で表示されます。

この半透明の形状の中に、ターゲットで指定した表示オブジェクトの頂点が、入っていれば、
その頂点は、指定ボーンの影響を受けるようになります。

形状を調整して、影響を受けさせたい頂点のみが、形状の中に入るようにします。

まず、拡大縮小で、調整するのがいいと思います。
ダイアログに、4つのスライダーがあります。
スライダーを右にドラッグすると拡大、左にドラッグすると縮小します。
マウスを放すと、つまみは、中央に戻ります。

まず、「全方向」のスライダーで、大まかな大きさを決定した後、
「ボーン方向」、「ボーン垂直方向その1」、「ボーン垂直方向その2」のスライダーで、形状を調整してください。

拡大縮小をしても、制御しきれない場合は、位置の調整機能を使ってください。
ラジオボタンで、「影響範囲全体を移動」と、「影響範囲形状の頂点を移動」が選べます。
どちらかを選んだ後、形状データを、マウスで、ドラッグすると、位置の調整が出来ます。

頂点の位置の調整の際に、気を付けてもらいたいのは、
現在のバージョンでは、形状が、凹の形になると、うまく判定できなくなるという点です。
凹にならない範囲で、調整してください。

調整に失敗したら、「影響範囲形状を削除」ボタンを押してから、やり直してください。

ダイアログの一番下のリストビューには、
作成済の影響範囲形状の一覧表が表示されます。
表には、チェックボックスが付いています。
チェックを入れると、メインウインドウに、対応する形状が、表示されます。
表示はされますが、ダイアログの上の方で選んだ形状しか、マウスで編集できないようになっています。


形状同士の重なり
影響範囲形状同士が重なった場所は、ボーンの影響度がブレンドされます。
重なっていない部分は、ひとつのボーンの影響だけを受けるように設定されます。
ブレンドの具合は、距離と角度によって、自動的に、制御されます。
ブレンドの具合を、もうすこし、緩やかに変化させたりするオプションを、今後、作るかもしれません。


mikoto用のメタセコイアファイルを読み込んでいる場合には、
対応するボーン名とターゲット名を選ぶと、そのアンカー形状が、メインウインドウに表示され、
それを編集することが出来ます。

mikoto用データで、気を付けてもらいたいのは、
ひとつのアンカーに、複数の立体が入っている場合には、正常に機能しないという点です。
あと、前にも書きましたが、凹の形をしたアンカーも、機能しません。



RokDeBone2上で、影響範囲の形状を作成する他にも、
メタセコイアで、形状を作成し、それを、影響範囲に変換する方法もあります。
影響範囲にしたいメタセコイアファイルを、メインウインドウの「形状ファイルインポート」メニューで読み込みます。
次に、この読み込んだデータを、階層構造エディタで選択し、階層構造エディタの「影響範囲に変換」メニューを選択します。
すると下のようなダイアログが出ます。


ボーン名とターゲット名を選ぶと、影響範囲形状に変換されます。
このデータは、「影2」ボタンを押せば、編集、調整出来ます。



4,名前による影響ボーン指定

階層構造エディタで、「表示パラメータ設定」を選び、名前を変更することで、影響範囲を指定できます。
「表示オブジェクト名-影響ボーン名」の形式で、指定します。
オブジェクト名と、影響ボーン名の間には、半角の-を入れます。
このようにして、指定すると、表示オブジェクトは、指定ボーンだけの影響を100%受けるようになります(スキニング無し)




5,頂点単位のペイントによる設定

メインウインドウの「影3」ボタンを押すと、頂点単位の影響度設定モードになります。

マウスで頂点をクリックし、色を塗ることで、設定します。


影響度設定中に、ボーンドラッグで、ボーン変形することが出来ます。
  ダイアログで、モードを切り替えます。

影響度の計算方法は、4種類用意しました。頂点に4色の色を付けて、表示、設定します。
  1,ボーンからの距離と角度で計算(RokDeBone2のデフォルトの方法)[赤色]
  2,ボーンからの距離のみで計算[緑色]
  3,一つのボーンだけの影響を受けるようにする(スキニング無し)[青色]
  4,数値の直接指定[黄色]
  5,軸対称の点から、影響度情報をコピー[黄色]

  一つのボーンの影響も受けていない頂点は、黒色で表示します。

5は、
指定した軸に対称な点と同じ影響度を、クリックした頂点に設定します。
ボーンの名前は、軸対称の規則に従って変換します。軸対称ボーンの名前の説明
パーツが分かれていても、対称点を検索できます。
距離の項目には、対称点同士の距離ではなくて、
正確な対称点の位置と、実際のコピー元となる点との最大距離を指定します。
つまり、正確な対称位置からの、ずれの大きさの範囲を指定すると、考えてください。


ペイント方法は、5種類用意しました。
  1,通常  すでに設定してある影響度情報に、影響度データを追加します。
       同じボーンの情報が既にある場合は、上書きします。
  2,排他  すでに設定してある影響度情報を、破棄してから、影響度データを設定します。
  3,加算  すでに設定してある影響度の比重に、指定した比重を足し算します。
  4,減算  すでに設定してある影響度の比重から、指定した比重を引き算します。
  5,削除  指定したボーンの影響度データを削除します。

比重は、スライダーで、自由に設定できます。
  比重は、4種類の方法で計算した結果に、掛け算されます。
  例えば、ボーンからの距離と角度で計算した結果が0.6で、比重に80%を指定している場合、
  0.6 × 80 / 100 が実際の影響度になります。
  正規化するオプションをオンにしている場合(通常はオン)には、
  更に、全てのボーンの影響度の合計が1になるように、計算し、影響度とします。

ボタンで、影響度をデフォルト状態に戻す機能
  設定がうまくいかなかった場合など、元に戻したい場合に、使用します。
  直前にクリックした頂点のみを処理するモードと、全頂点を処理するモードがあります。

ボタンで、正規化する機能
  正規化をオフにして設定したが、うまくいかなかった場合などに、使用します。
  直前にクリックした頂点のみを処理するモードと、全頂点を処理するモードがあります。
        
アンドゥー
  頂点クリックによる、ペイントを、50回まで、アンドゥーできます。

ボーンの影響度の一覧表示
  クリックした頂点に対して、どのボーンから、どのくらい影響度を受けているかを、一覧表で表示します。
  右クリック(ペイント処理無し)でも、確認できます。


コツとしては、まず、赤色で、影響を受けさせたい頂点に色を塗ります。
そして、結果が、ダイアログの下の一覧表に、表示されますので、影響度を確認します。
影響度を調整したい場合には、比重のスライダーをドラッグして比重を変更し、クリックし直すという操作を繰り返します。
角度などの関係で、影響度が0になっている場合には、いくら比重を変えても、影響度は変わらないので、
その場合は、緑色などで塗り直してから、比重を調整してください。

IKしながら、影響度を設定できるので、形状を確認しながら設定すると、うまくいくと思います。

ちょっとした、変形結果のへこみや、出っ張りを直したい場合には、
比重を小さく設定して(10%とか)、「加算」あるいは、「減算」モードにして、ペイントすると、すばやく修正できると思います。


設定機能的には、一つの頂点に何個でもボーンを対応付けられるようになっているのですが、
アンドゥーと、対称コピーは、ひとつの頂点にボーンは8個までしか、対応していません。
(それ以上は、無視されます。)


RokDeBone2のトップページに戻る

トップページに戻る